あおみ労務事務所
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「経営」という言葉を辞書で引いてみますと、「計画に基づいて事業などを行うこと。又そのためのしくみ」 とあります。畢竟、経営とは「経営指針(経営理念、経営方針、経営計画)を作成し、それを誠実に実践していくこと」ではないでしょうか。
このページでは、その時々の経営にかかわる情報を取り上げ、発信していきます。
2010.08.29(San)
巣ごもリッチ

中日新聞社発行の雑誌・Clife(シーライフ)。
新聞でよく見る用語辞典のコーナーに、「巣ごもリッチ」という用語を発見。

巣ごもリッチ?「巣ごもる」という日本語の動詞に、英語のRich(リッチ)か?
意味を調べると・・・・

レジャーや外食にお金を使わず、家の中で豊かに暮らしたいという人のこと。

例えば、ちょっと高めのワインと高級食材を使った手料理で、レストランより安価に豪華に
食事を楽しむ。

いわば、倹約生活スタイル「巣ごもり消費」の進化形。
節約だけでなく、快適さや贅沢も楽しみたい消費者の欲求の表れ。

リーマンショックのあと、消費のキーワードとして聞くようになった「巣ごもり」。
景気が悪いから、家で大人しくこもっていること。

忘年会は「家飲み」。クリスマスは巣ごもりデート。バレンタインも「彼と家で一緒にチョコ作り」。
これが2010年のトレンドだと言われていた。

ところが、どっこい。「巣ごもリッチ」が出現した。
ちょっと高値のビール「ザ・プレミアム・モルツ」が売れに売れているというのである。

不況による「節約生活」にも、どっと疲れが出てきたのだろう。
ちなみに、私の「巣ごもリッチ」は・・・・

ビールグラス片手に、インターネット落語会。
若かりし頃の円楽、志ん朝、談志の一席が心地良い!



熱帯魚



2010.08.22(San)
1年間の長期休暇?

また、やってくれた。
とある会社で、1年間の長期休暇を取れる企画が発表されたのだ。

その会社は、毎度お騒がせ(?)の未来工業。
例の、「楽して、儲ける!」の相談役・山田昭男さんをオーナーとする会社である。

さて、その企画とは?社員旅行で渡航するエジプトでクイズを出題し、全問正解者には最長180日の特別有給休暇を与えるというもの。しかも、クイズ問題は事前発表らしい。

その名も、「めざせ!世界一のQ日」。
通常の休みや年次有給休暇を合わせると、1年間の長期休暇が可能というわけである。

これは、同社創立45周年記念事業。
来年2月に社員が2回に分けて4泊6日の旅行をする。

現地では、古代エジプト文字の解読などエジプトにちなんだ計50問に挑む。
日本企業として初めて、世界遺産「クフ王のピラミッド」を貸し切り、内部に関する問題も出す。

クイズの全問正解者には特別休暇180日を支給。
ほかの成績優秀者にも1〜20日の休みを与える。

記念行事実行委員長の石井隆之さん(31)=開発部=は「日本一休みが長い会社と呼ばれる未来工業の社員が、一番望むことは何かを考えた」と説明。

山田昭男取締役相談役(78)は「製品の差別化とともに、他の会社がやらないことをやるのが会社の方針。社員が奮起して普段の仕事の効率が上がれば」と話したという。

“反常識”経営は依然、好調である!



2010.07.24(Sat)
敷き松葉

火曜日、異業種交流会の広報を担当するメンバーで「広報委員会」を開催。
月例行事ながら、毎回新鮮な気持ちでいられるのは、O委員長の努力のタマモノ。

広報誌作成の打ち合わせはそこそこで切り上げ、その後、雑談に花を咲かせて大抵は終わるのだが、O委員長が偉いのは、毎度、“旬の言葉”を委員に提供してくれるのだ。

下は、その日の言葉。松下経営塾元塾頭の上甲晃さんの文章の全文。
経営への真摯な姿に身震いする!


伊那食品工業の社長である井上修さんから、電話が掛かった。

「先日、当社の総務担当者が、地元の会合に出かけました。
その時に、パナソニックの社長(現会長)であった中村さんが来ておられました。

その中村さんが、私共の総務担当者の名札を見て、わざわざ、“いつも真々庵の敷き松葉をありがとう”と、お礼を言われて、大いに恐縮していました」

というのが、電話の用件であった。

京都・東山の裾野にある松下美術苑・真々庵。
パナソニックのトップが、お客様をお招きする時に利用する迎賓施設である。

小さいながらも、美しい庭園は、私も大いに気に入っている。
何よりも、松下幸之助が、生前、“こよなく愛した”ことでも名高い。

真々庵の名物は、冬の時期の敷き松葉である。
庭園の苔を、厳しい冬の寒さから守るために、一面に、松葉を敷き詰めるのである。

褐色をした松葉が庭園に広がる様子は、真冬の風情として、目を楽しませてくれる。ところが、昨今、敷き詰めるべき松葉が、地元の京都では中々手に入らなくなってしまっているのだ。

それを聞いた、伊那食品工業の塚越会長が、「当社の構内には、アカマツがたくさん生えていて、冬の時期、落ち葉となって降り積もります。良ければ、お届けしますよ」と、申し出ていただいた。

その話が、真々庵の支配人から、中村さんの耳に入っていたのである。中村さんは、それを覚えていて、パーティの席で行き会った伊那食品工業の総務担当者にお礼を言った次第である。

私が感心するのは、伊那食品工業さんの送り届け方である。
普通なら、敷地に落ちている松葉をかき集めて、箱に無造作に詰め込んで送るだけであろう。

伊那食品工業さんは違うのだ。社員が手分けして、松葉の長さをきちんと揃え、しかも、きれいに洗浄してから送っているのだ。真々庵の支配人は、行き届いた送り方にいつも感動している。

人にものを送るときの心遣いのあり方を、私も教えられる気がした。
大切な商品ならまだしも、たかが落ち葉だと思うと、ついつい無造作に扱ってしまいがちである。

伊那食品工業では、「同じお送りするのであれば、相手が喜んでいただけるような送り方がある」ことを心得ておられる。それにしても、中村さんも、中々立派だ。

落ち葉がどこから送られてきているかまできちんと把握していて、見も知らぬ人に向かって、わざわざお礼を言うのも、見上げた姿勢である。

そうした行き来があって、松の落ち葉にも魂が込められていくのだ。
今年の冬もまた、真々庵の敷き松葉は、一段と、存在感を増すことであろう。



2010.06.20(San)
あなただけのカレンダー

久しぶりに、伊集院静(いじゅういんしずか)の文章に出会った。
以前は、彼の小説や随筆に夢中になっていたが、少しばかり遠ざかっていた。

伊集院の文章に最初に出会ったのは、日経新聞・夕刊の「プロムナード」。
著名人のエッセーのコーナーで、2002年7月4日のことである。

その作品は、後に伊集院の随筆ばかりあつめた、『ねむりねこ』という本の最初を飾った。
「雨に光る花」というそのエッセーを読み返すと、懐かしい。8年も前なんだ。

ところで、昨日再会した文章はというと、「あなただけのカレンダー」。
難しい言葉で言うと、“これをやるんだ”という「人生の指針」を作りなさい、ということ。

経営の世界では当たり前のことだが、指針書は、個々の世界には中々下りていかない。
それを戒める伊集院の言葉。最後の部分(アンダーラインを引きました)が特に良い!


新しい人生のカレンダーを作りなさい。
若い時とはまるで違う、これからのあなたの人生のカレンダーだ。

そこにこれから自分がなすべきことを記しなさい。何をやろうか、何ができるか、ではない。
これをやろう。これをやるんだと、決意を記すのだ。

私は自分のカレンダーを四十歳の半ばで作った。勝手な夢と希望だから今もかなわぬことばかりだ。それでもないよりあった方がよかった。

あなたにも新しいカレンダーを持つ資格がある。なぜならあなたは今日まで世間の荒波を越えてきた。実はそれ自体が素晴らしいことなのだ。

十二分に何かをなしてきたと言えなくとも、ここまで十分に何かをなしているのだ。
その上、私たちは十二分に若いし、恋だってできる。

私のカレンダーの反省から一言。
夢はシンプルで欲張りすぎぬよう。

さらに言えばこれまで着ることのなかった新しいカラーを身につけるくらいのモダンさがあった方がいい。

やはり人生はお洒落でなくては。




熊谷守一 ねむりねこ



2010.05.29(Sat)
異業種交流会での川柳

異業種交流会の会報誌作りに関わって約7年。
途中、諸事情で休刊の時もあったが、創刊以来ずっと、川柳コーナーを担当している。

宗匠気取りで川柳を語るも、実力不足はすぐに露呈。
やっと、ここへきて川柳を語るに足る実力がついてきた(錯覚ですが・・・・)。

第23号の原稿ができたので、紹介します。

 川柳 〜東奔西走〜

「サッカーのワールドカップの会場すべてが禁煙になった」という事例ひとつとっても、今や、世界の傾向としてタバコは嫌われものです。

タバコを吸うというだけで、白い眼で見られがちです。
「環境」というキーワードは、愛煙家に深い悲しみを与えました。

そこで、愛煙家の皆様のリクエスト(?)にお応えして、今回のお題は『喫煙』。
「愛煙家の悲哀」を描いた作品を多くいただきました。

 服くさい 洗濯物は 別々に          照日晴れる日さん

 火をつける 妻と子供が逃げていく        〃

 学ランの裏にマッチとセブンスター       036 

 口紅の付きし吸殻 置手紙             〃

 愛煙家 やめた途端に 嫌煙家        たばこぎらい

 禁煙中吸ってる夢見て飛び起きる        〃

 ホタル族一緒にしないで 蛍泣く       シグナル

 我先にいつもにこにこ喫煙所         一休

 けむりふき たぬききつねの ばかしあい    〃

 喫煙所 此処は異次元 玉手箱       土竜興業

 喫煙を笑わば笑え 先がない         愛知県



春の河


 川柳 〜添削コーナー〜

今回のお題『喫煙』で没句になった川柳を紹介します。まずは、一休さんの句。

 夜空の下で煙草ふかし手の平でおどる幹事みるいたずら小僧かな

ずいぶん長い句です。川柳は基本形を、五・七・五としますので、とても川柳とは言い難い句ですが、幹事を「掌(てのひら)に転がる煙草の火玉」と捉えたところなどは秀逸。

感性の良さが表れています。そこで、こんなふうに直してみました。

 
 紫煙揺れ 幹事がひとり踊りだす

次は、Kさんの句。

 タバコは心の日曜日

川柳はそのリズム感から、標語と似たところがあります。しかし、その根底に人間の喜怒哀楽を読むのが川柳ですから、標語と似て非なるものです。

五・七・五のリズムの中でどう人間を描いていくか?こう直してみました。

 煙草一服 こころの窓が開かれる

そして、最後に土竜興業さんの句。

 今度こそ決意を胸にあおぐ空

お題から推測すると、「決意を胸に」というのは、「禁煙」の決意なのでしょうか?
しかし、『喫煙』が見えてこないことには、入選句にはなりません。

そこでこう直してみました。

 禁煙の決意であおぐ空の青

さて、次回のお題は『熱気』です。碧南・高浜地区の熱気でぜひ投句を!


向日葵



2010.05.15(Sat)
旅してゴメン!

土曜の朝は、タレント・ウド鈴木の「旅してゴメン!」を毎週見ている。
旅の空の色彩が、何とも言えず良い感じの番組だ。

今朝は、「滋賀・東近江」を旅してゴメン!
小雨の中、ぶらり散策して見つけた和菓子屋「冨来郁」へ立ち寄る。

すると、店の奥から三代目の主人が驚いたように飛び出してきた。旅ゴメの大ファンで、ウドが訪れた旅先へ実際に出向き、ウドが伺った店や出会った人に会いに行ったことがあるとのこと。

この主人の座右の銘が、「出会いは、学びの出発点!」
確かにそうだ。人は、人との出会いでどれだけ多くを学んでいるのだろう。

人だけでなく、本との出会い、酒との出合い、趣味との出会い・・・・。
何かに出会うことで、人は知らず、生かされているのだろう。

先月、ある人との別離があった。その人との出会いから別れへの顛末は、ここでは語れぬことだが、出会ってからの数ヶ月は、苦しく辛い日々にそれ以上の潤いをもたせた。

出会いに別れは付物だろうが、今回の別離は、格別辛いものがある。
この項で、書くべきことではないが、少しだけ書いてみたくなった。

さて、「出会いは、学びの出発点!」良い言葉だ。
「出会いは、別れの出発点!」にならぬよう祈っていよう。

 海までの道 もう二度と逢えぬ人           やすみりえ



2010.05.04(Tue)
趣味はどこへ行った!

異業種交流の会でご一緒させてもらっているS社のNさんから、広報誌が届いた。
多彩な情報が掲載された、手作りの紙面に好感が持てる。

「趣味はどこへ行った」と社長放談のコーナー。
Nさんは、これまで“海水魚鑑賞”に始まり、“映画と音楽”“水彩画”と趣味を持ち続けた。

しかし、それら趣味に一通りのケジメをつけて、今は無趣味と言うのである。
それなら、その分仕事に邁進できたから、会社業績が上がったかというと、そうでもないらしい。

Nさんの出した結論は、こうである。
「良い経営実績は労働時間と必ずしも比例しない!」

 人と仕事との健全な関係は良い趣味を持ち、適度な気分転換をし、生活にリズミカルな抑揚を
 つける事が次への新鮮なエネルギーと、冷静な判断力を生み、結果的に実績も上がる。

かくして、Nさんは、仕事観だけでなく、人生観を見つめなおすことの大切さに気付いた。
「緊張だけでは人は折れてしまう。人は適度なしなやかさが大切」とは、S社の社員の言葉!



2010.04.17(Sat)
地力の差が不況時に出る!

夕食時に見ていたテレビが面白かった。
どん底のラーメン店主が、店再生を賭けてラーメンの開発に取り組む番組だ。

自分のラーメンに自信のない店主が、まず始めたのがラーメンの食べ歩き。
ここぞと評判のラーメン店を一日十数件食べ歩いた。

そして、それから取り掛かったのがスープ作り。
試行錯誤を繰り返すが、納得のいくスープができない。

そこで番組スタッフの紹介で、人気ラーメン店主の元で一日修行。
神業豚骨スープを手掛ける67歳の女性店主だ。

開口一番、女店主からの質問。
「あなたの作るラーメンは美味しいか?」

「美味しくない」の答えに、女店主からの一喝。
「プロというものは、少なくとも自分が自信を持つ商品を提供することだ!」

番組は、最後に自信作を作り上げるが、飲食店の経営というものは何だろう、と改めて思う。
好不況に関わらず、いつでも繁盛している店とそうでない店とがある。

それはなぜか?この答えが、今朝の中日新聞・中日春秋に書かれていた。
何度も噛み締めることが、繁盛店に繋がるか・・・・?


こんなご時世で、閉店に追い込まれる飲食店は少なくない。
だが一方、不況どこ吹く風で繁盛している店もある。多分、こういうことだ。

好況の時には、消費者の目は甘く、出費を決める合格ラインはさほど高くない。
だから、客へのアピール度「まずまず」ぐらいでもやっていける。

だが、不況になると話は別だ。
財布のひもをしめる時、合格ラインはぐっと引き上げられる。

もう、「まずまず」では来てもらえない。結果、生き残るのは、好況時には余裕で合格していたようなアピール度「抜群」の店だけとなる。

どうも不況には、店やら商品やらが持つ地力の差を鮮明にしてしまうところがある。



2010.03.13(Sat)
子供の絵本から学ぶ!

水曜日、ダイレクト出版(株)の鷲見貴人さんがメルマガを送ってくれた。
その内容は「子供の絵本から学ぶ!」。

鷲見さんの家では、娘が寝る時間には母親が必ず絵本を呼んであげるらしく、自分もその輪の中に入っていくこと、そして絵本には子供だけでなく、大人にも教育になることが多い、と告げている。

鷲見さんのお気に入りの絵本が、The DotPeter H. Reynolds
以下、少し長いですが、紹介します。


主人公のワシテは、美術が大の苦手・・・。美術のクラスが終わっても、用紙には何も描かれていない白紙のままで、イスに座ってふてくされていました。

美術の先生がワシテに近づき、『あ〜、大吹雪のなかにいる白クマね♪』
という冗談を言っても、『私には、美術なんて出来ない!』と反論するばかり。

それでも、先生はワシテに対して笑顔で、『とりあえず、ペンを紙においてみるだけでも良いんじゃない。まずはそこからスタートしたら?』と提案しました。

その程度なら出来るだろうと思い、ワシテはとりあえずペンを取り、白紙の用紙に力強くペンを押しつけました。『どうだ!』ペンを用紙に押し付けただけなので、その用紙の中央には、黒いドット “てん”が一つあるだけです。

それをみた先生は、少し考えた後にこういうのです。『じゃあ、ここにサインして・・・』
ワシテに”点”が描かれた用紙を差し出し、その用紙に自分のサインをするよう勧めたのです。

ワシテは少し困惑しながら、美術はできないけど名前ぐらいは簡単に書けると、そこにサインをしました。一週間後・・・。美術の時間に教室に入ると、ワシテは驚きの光景を目にします。

なんと、黒いドットだけが描かれたあの用紙が、アートとして金色の額縁に入れられ、壁に作品として飾られていたのです。
そこで考えました。『”てん”だけなら、もっと良いのが描けるのに・・・』

そして、今まで毛嫌いして使っていなかった絵具を取り出し、

黄色いてん・・・
緑のてん・・・
赤色のてん・・・
青色のてん・・・

いろんな色で、てんを描きはじめました。さらに、研究の結果、青と赤を混ぜると、紫のてんができることを発見し、小さなてんから、大きなてん、てんの集合でてんを作ったり、用紙の周りをてんで埋め尽くすことで、中央に白紙のてんを描いたり・・・。

数週間後、学校の美術展覧会では、”てんのアート”として、ワシテの作品が特設コーナーに紹介されたのです。その展示会で、ワシテは作品を輝いた目でみつめる少年をみつけました。

そして、その少年がワシテに近づき、こういったのです。

『素敵な作品ですね。僕もこんな風に美術が出来たら良いのに・・・』

これに対して、ワシテは答えました。
『君にもできるよ。』


すると、少年は『僕っ!?僕なんかにはできないよ。だって僕なんて、定規を使ってもまっすぐな線を引けないんだよ。』


こう言いはる少年に対し、ワシテは笑顔で答えました。
『じゃあ、みせてみて。』 

そして、白い用紙を渡すと、少年はすっかり動揺した様子で、その用紙にペンで直線を書きはじめました。
ワシテは、少年の書いたミミズが這うようなくねくねした線を眺めながら、こういったのです。

『じゃあ、ここにサインして・・・』

The Dot



2010.03.07(San)
“ひとつ”だけなら守れる!

先日、得意先の企業を訪問していた時、社長の息子の話になった。
今年、大学受験で、京都大学を受けるという。

現在は、愛知県三河地方のO高校に在学中だが、何とその高校には校則というものがないらしい。あるのは教育理念だけ。それでうまくいっているのなら、それでいいのだろう。

規則を細々並び立てるより、目指すところを単刀直入に伝えるだけで、学校が機能すればいうことはない。しかし、それは理想であって、それで通用するのは、生徒の質が元々いいのだろう。

少し前の中日新聞に、クラーク博士のエピソード(堂門冬二筆)が載せられていた。
「ボーイズ、ビー・アンビシャス!(少年よ、大志を抱け)」の名言を吐いた、あの人である。

明治初年、北海道開拓使長官・黒田清隆は、北海道を見て「米作はムリだ。この地に適する農業振興が必要だ」と考え、アメリカのマサチューセッツ州が北海道に似ていることに目をつけた。

そして、クラーク博士を招き、札幌農学校の設立を思い立った。黒田は、クラーク博士に、農業技術だけでなく、地域の指導者になる新しい農政家の育成を目指すという壮大な構想を告げる。

さらに、農学校の校則案を考え、英訳して博士に示した。博士は、黒田の構想には双手をあげて賛成するが、校則案には首を横に振った。以下、その時のやりとり・・・・

「博士はこの学校に校則はいらない、とおっしゃるのですか?」
「いえ、校則はもちろん必要です。が、この案は項目が多すぎて、生徒が守りきれません」

「では、どうなさるのです?」
「校則はただひとつです」

「ひとつ?どんな?」
「ビー・ジェントルマン(紳士たれ)」

かくして、「ビー・ジェントルマン(紳士たれ)」は、札幌農学校の教育理念になった。
そして、このスピリットは、二期生の内村鑑三や新渡戸稲造らに引き継がれていった。



2010.02.20(Sat)
運をつかむ3条件

水曜日、異業種交流会でご一緒させてもらっているKさんから、メッセージを頂いた。
そのタイトルは、「運をつかむ」。運をつかむためしなければならないことが書かれていた。

運をつかむには、運に恵まれるにふさわしい体質を作らなければいけない、というのである。
人が成功するのは、ある日突然成功するわけではない。

平素の努力の集積によって成功する。禍が起こるのも、その日に起こるのではない。
前から必ずその萌芽がある。運をつかむのも、同じこと。

運を呼び寄せ、やってきた運をつかみ取るだけの実力を養わなければならない。
それでは、どうすればその体質や実力ができるのか?

メッセージを引用させてもらう。よい運をつかむ3条件とは・・・・
 
@強く生きる・・・・強く生きるとは、「主体的に生きる」「覚悟を決めて生きる」こと

A深く見る・・・・深く見るとは本質を見抜くこと、状況を見抜くこと

B巧みに表す・・・・技術、技巧を磨くこと

これら3条件は、俳句を作る3条件でもある。技巧だけでは良いものは作れない。強く生きる信念、深く見る姿勢があって、初めて技巧は生きてくるというのである。

おそらく川柳もそうだ。こうした姿勢を貫いていけば、未熟者でも何とかなるかもしれない。
ひょっとしたら、川柳の大御所になれるかも・・・!



2010.01.30(Sat)
一成れば一切成る!

今月は、日経新聞・私の履歴書を楽しく読ませて貰っている。
元首相・細川護煕さんの生き様が、水彩画のように淡く映る。

知事や首相として大仕事を成した細川さんだが、政治家の時よりも政治を辞めた後の生き様の方に興味がそそられる。焼き物作りに没頭した日々など実に面白い。

政界を退いて間もなく、友人が開いた個展を見に行ったのがきっかけで焼き物作りを始めるようになったのだが、最初にしたことは、師匠探し。

本屋で陶芸の雑誌をめくって、自分の感性に合う現代作家を探すことだった。
たまたま目に留まった作家が、奈良県在住の辻村史朗さん。

すぐさま電話をかけて、作品を見に行くことにした。初対面の印象は、丸刈りに無精ひげで、一見無頼風な感じだが、なかなか面白そうなオッサンだと直感して、そのまま“押しかけ弟子”に。

居候を決め込んだのはいいが、辻村さんの工房はというと・・・・

 彼の窯のある山の斜面には、藪や林の中に茶碗や壷がごろごろ転がっている。
 作業場は、茶碗のかけらなどが足の踏み場もないほど散らばっている。

 若い時に奥さんとふたりで集めた材を使って組み立てたという家は、すきま風も虫もよく入って
 きた。そこに犬と野良猫が十数匹いるという野生の暮らしで・・・・

辻村さんはといえば、こんな人だ。

 権威などというものは鼻クソほどにしか思わない人で、相手が知事だろうが、首相だろうが、
 そんなものは屁とも思わない。

 ろくろの修行中、ずっと言われ続けたことは、「あほなオッサンやな」「あかん、ほかせ(捨て 
 ろ)」「しつこいオッサンやな」の3語だけ。ここで文字通り、朝から晩までろくろを挽いた。

一年半ほどたったある日、「もうこんでええやろ」と言われ、卒業証書を貰ったのだと勝手に合点して、その日を区切りに、この野生の王国を卒業したのだった。

「一成れば一切成る」。
画家・池大雅の言葉を引用して、細川さんはその日の文章をこう結んでいる。

 たとえ不器用でも、精進工夫をしつこく積み重ねていけば、何事もそこそこのところまでは辿り
 つけるものだ。

「しつこく!」。不器用者には、誠にありがたい言葉である!

   
陶芸家インタビュー  http://www.arslonga.jp/monthly/interview/interv025.html


窯のある風景


常滑・焼き物散歩道


2010.01.09(Sat)
いい物は高く!

2010年が始まった。干支は寅。悠然とサバンナを闊歩するトラの姿が目に浮かぶ。
新しい年に期待するものは多いが、期待だけでは何も変わらない。

己を変えてゆく以外にない。元旦の中日新聞・中日春秋にそれが書かれていた。
まずは、「中日春秋」から引用。

 取引の大半を占める自動車メーカーからの注文が絶え、危機に瀕したある中小企業の話を
 少し前、本誌の地方版で読んだ。

 苦しかったがその中で社員の意識改革ができ、別業種の仕事も開拓、自動車依存を脱却
 できたという。社長曰く、「大変だったが会社が強くなった」。

 俳句や短歌も字数が限られ、言葉のやりくりをするしかない条件下で発展してきた。
 余裕綽々よりむしろ、厳しいやりくりから開かれる新たな地平もあるのではないか。

「五・七・五」や「五・七・五・七・七」の制約下で、どう言葉を展開するか。
企業もまたしかり!現状ある中で、どうやって最大限のものを創造していくか。

そこに「人知」という計り知れないものが存在するのだろう。
デフレ経済が支配する昨今、「いい物を安く!」ではなく、「いい物は高く!」・・・・。

昨日の中日新聞に、敬愛するカリスマ経営者・未来工業の山田昭男相談役が相変わらずの元気さで吠えていた。これまた、引用。

 人件費でのコスト削減は大間違い。人口減でも国内需要は十分ある。
 値段を下げるから利益が上がらず、社員にいい給料を払えない。

 だから会社が伸びない。
 いい物は高くだろ!

デフレに抗する一策である!




山田相談役似顔絵



2009.12.13(San)
芸人が死ねば、芸まで持って逝く!

行政刷新会議の“事業仕分け”が、とりわけ科学と文化の関係者から評判が悪いようだ。
いずれも経済効果という面で即効性がないから、予算が削減される傾向だ。

科学のように長い目で見なければいけないものは、その価値を見出すまでには時間がかかるし、文化は、そもそも無くても生きることはできるわけだ。

それで必要ないかといえばそうではなく、文化という心の潤いは、生産性に高く寄与している。
「やるぞ!」という思いは文化があればこそ。文化が無くなれば、経済に活力が生じない。

落語芸術家協会会長の桂歌丸さんが、芸術文化振興費が「圧倒的縮減」と判定されたことに立腹していた。学校への芸術家派遣が見直しになったことに対してである。

カンボジアで子供たちに落語を披露した経験に触れ、「異国の子供も喜ぶものを日本で行うのに、国の予算を使うのがいけないのか。子供たちが本当の文化に触れる機会は大切だ」と。

「無駄を省くのは大賛成だ。でも、もっと省くべき無駄がある。狭い日本にこんなに多くの政治家が必要なのか」と怒りが収まらない様子。

「落語家が死ねば、芸まで持って逝ってしまう」
先日、三遊亭円楽さんが亡くなったとき、歌丸さんはこんなことを言っていた。

社労士もそうである。長年培ってきた「労務管理の技」というか「労務管理の勘所」は、その人が死ねば一緒に逝ってしまう。それではどうするか?

落語家が弟子を取って芸を継承していくように、社労士もその技を継承しなければいけない。
そうすることが、社労士業界の裾野を広げていくことではなかろうか。



2009.12.06(San)
酒と自殺

早いもので、12月も第一週を終えようとしている。
いよいよ来年へカウントダウンする声が聞こえてきそうだ。

忘年会、はたまた新年会の案内が八方から降るように湧いてくる。
酒量がいやがおうにも増えていく季節なのだ。

今朝の日経新聞に、「酒と自殺」について書かれたコラム(遠みち 近みち)があった。
それによると、自殺者のほぼ四分の一が、アルコール依存症だったというのである。

例えば、40、50代の商店主や中小企業経営者が借金や離婚、不眠などの悩みを抱える。
つらい気持ちにフタをして深酒をする。

思考が負の方向に引きずられ、自暴自棄になりがちになる。眠りがさらに浅くなる。
自殺者の多くは、アルコール依存症とうつ病の合併症を持った人なのである。

自殺者が1998年に3万人台に乗ったまま、今年も減る気配がなく、11年連続のワースト記録を更新しそうな現状。統計を引き上げているのは、50代を筆頭にした中高年男性である。

他人事ではない。私などはとりわけ、自殺者予備軍といったところか?
このコラムは、次のように問題解決を導いている。

 これまで我が国の自殺予防対策の中で、うつ病がクローズアップされる割には、アルコール
 対策は軽視されがちだった。

 自殺者数を引き下げるためにも、悩みを抱えたときの酒の飲み方から、アルコール依存症の
 診察・治療法までを自殺予防の総合対策に組み込むべきです。

中高年諸氏よ!「ひとり悩んで酒に逃げるな」「眠れないときも酒に頼るな」の言葉を噛み締めようではないか。大切なことは、何でも相談できる仲間を持つことである!



2009.11.14(Sat)
きどにたてかけし衣食住!

先日、(株)ジェイックの知見寺(ちけんじ)さんが、元リクルート社でトップセールスだったWさんの話をメールで送ってくれた。中々興味深いので、紹介します。


Wさんは、口数の少ない子供で、小さい頃は近所の方から、「病院に連れて行ったほうがいいんじゃないか」と助言されるくらい、言葉を発しなかったそうです。

中学校の卒業アルバムに、クラスの集合写真がありますが、そこにWさんは写っていません。
たまたま、その写真を撮る日に体調が悪く休んだら、追加の撮影もされることなく、そのまま・・・。

卒業写真に写っていないことを、忘れられてしまうくらい、クラスの中でも無口な目立たないタイプだったそうです。こんなWさんが、あのリクルート社で、全営業マン中、1位の成績を取りました。

リクルート社といえば、生徒会長をしていました、とか、○○部のキャプテンをしていました、というようにクラスで最も目立っていた人達の集まりです。

Wさんとは正反対の人達ばかりなのです。
こんな人達のなかで、どうしてWさんはトップを取れたのでしょうか?

一所懸命流暢な話ができるように訓練したのでしょうか?
素晴らしいプレゼンテーションができるように勉強したのでしょうか?

Wさんは、違いました。最初は、社内のトップセールスの方を真似して、流暢な説明ができるように、必死に練習したそうです。でも、全く売れません。

そこで、開き直って、上手く話すことを諦めて、自分は口下手なんだから、あまり話さなくても、注文がもらえるようにするためには、どうしたらいいのか考えて、工夫をしたのだそうです。

この工夫を、ひとつ、ひとつ、積み重ねていくと、気づいたら売れる営業マンになっていたそうです。
この具体的な事例をいくつもご紹介いただきました。そのひとつをご紹介します。

訪問した際は、最初にアイスブレーキングをしなさいと言われます。
いきなり商談に入らずに、いわゆる、雑談をすることですね。

よく営業研修でも、「きどにたてかけし衣食住」と教えます。
雑談をするテーマの頭文字をとって並べたものです。

 き(気候)、ど(道楽、趣味)、に(ニュース)、
 た(旅)、て(テレビ)、か(家庭)、け(健康)、し(仕事)、
 衣(洋服)、食(食物)、住(住む))


Wさんも、天気の話をすれば良いと教わり、天気の話をするのですが、
Wさん「今日はいい天気ですね」。商談相手「そうですね・・・」。

Wさん「今日は暑いですね」。商談相手「そうですね・・・」。
このように会話が続かないのだそうです。

そこで、Wさんが工夫したことは、
アポイントの30分前には移動をして、いろいろと観察をしたそうです。

駅前にあるもの(噴水とか、オブジェとか、目立つお店とか)、
最寄り駅から訪問する会社までの道のりで行列ができている飲食店、
会社の周りの飲食店、ビルの外観、同じビルに入っている会社名、などです。

また、会社に入ってからも、
受付から応接までにある置物、書かれている標語、応接にある書籍、
受付からお茶を出してもらうまでの社員の方の応対を観察する。

そして、気づいたことがあれば、メモをしておいて、
その会社から近い順番で、話を振るのだそうです。

「社員の方の挨拶は気持ちいいですね」
「○○○○と書かれていましたが、ご方針ですか?」

「御社の近くに、○○○というラーメン屋がありましたが、美味しいでしょうか?」
「駅前に、○○がありましたが、初めて見ました」

営業が得意な方からすると、当たり前かもしれません。Wさんは、商談をスムーズに始めるために、今でもアポイント30分前に現地に着くことにしているそうです。

30分前に着くと、ゆとりをもって商談に臨めるのですが、時間ぎりぎりですと、落ち着いた商談ができないのだそうです。「もう習慣です」と仰っていました。



2009.10.25(San)
ウオーキングを続けるには

錦秋にはまだ日数がかかるが、秋が少しずつ深まってきた。
この小春日和は、町に歩を運ばせるのに最も適した時期だ。

暑くも寒くもない季節の透き通った風が、頬を静かにかすめていく。
そんなやさしい風をからませながら、秋桜がゆっくり揺れている。

 秋ざくら揺れてあの日の忘れ物       比呂志

昨秋の句が浮かぶ。「忘れ物」とは何だろう。あの場所に置き忘れてきた青春?
町中を歩きながら、そんなことを思い巡らせているときが一番楽しい。

昨日の日経新聞・NIKKEI PLUS 1の特集記事を眺めている。
「三日坊主」で終わらせないウオーキングの工夫が書かれている。

上手く纏められているので、紹介します。

「三日坊主」で終わらせないウオーキングの工夫

ただ歩くのは単調でつまらない
●歩く+趣味=楽しい
 ・自分の趣味と歩くことが合体できないかを考える
 例えば
 ・草花の季節の変化や街歩きで見つけた珍しい風景を撮影して写真集作り
 ・歩く途中で見つけたお気に入りの場所をスケッチ
 ・歩きながら感じたことを詠む「ウォークキング俳句」
 ・双眼鏡を持ち歩いてバードウオッチング

●音楽のリズムに合わせて
 ・好きなアーティストの楽曲を聴きながら楽しく歩く
 ・「速め」「ゆっくりめ」などテンポが違う曲を組み合わせ、歩くリズムに変化を
 ・音楽に熱中し過ぎて事故に合わないように。安全第一、音量は控えめに

いつも同じコースを歩くのは飽きる
●ウオーキングイベントに参加
 ・自治体や鉄道会社、日本ウオーキング協会などが主催
 ・景色や名所を巡る安全なコースを設定
 ・出会った参加者同士でウオーキング仲間作りも

毎日歩いていても成果がわからない
成果をチェックして記録
 ・歩数計の消費カロリー表示など歩数以外の成果をチェック
 ・定期的に体重や血圧などを計測し、健康面の改善を実感

●歩行距離を足して「日本一周」
 ・歩いた距離を地図上で足し合わせ、仮想的に目標地点まで歩く
 ・「日本一周歩こうかい」など、記録をサポートするサイトを利用

●「節約」という成果も
 ・ひと駅分歩いて節約した電車賃を貯める「ウオーキング貯金」



2009.10.03(Sat)
委託販売から責任販売へ!

土、日は仕事が休みだから、ゆっくり新聞が読める。中日新聞の一面をかざるコラム「中日春秋」や日経新聞の「春秋」などは、いつもながらに味がある。

よくもまぁいろいろなことを知っているものだ、と感心する。
何気ない市井のことを題材にしながら、すうっと本題へ入っていく。

読書量のなせる業だろうが、それに眼力が伴わなければこうは書けない。
いずれにしても、品格、見識、分析力などが突出した選ばれた人たちなのだろう。

凡人はそんなことを感心するが、「経営情報」としてもネタが転がっている。
例えば、今日のネタ・・・・


 【春秋】

定価1,000円の本を本屋さんは780円で仕入れる。
売れば220円のもうけ。売れなければ780円のまま引き取ってもらう。

だから仕入れにリスクがない。一方で中小書店は思うように仕入れができない。
半ば自動的に本が送られてくるからだ。

この仕組みを「委託販売」という。
これでは委託の名の通り、書店はただの場所貸しである。

では、1,000円の本を650円で欲しいだけ仕入れ、その代わり返品は350円、という仕組みならどうだろう。リスクはあるが、売れたら利幅が大きい。こちらは「責任販売」!

コラムでは、「委託販売」から「責任販売」に切り替えていかなければ、書店はダメになっていくだろうと警告する。リスクのないところに身を置くことが一番危険だというのである。

商品知識を磨き、売るために知恵を絞るのは、「責任販売」にするのが手っ取り早い。
ぬるま湯に浸かっていると、やがて茹で蛙になることを商売人は知るべきだろう!



2009.09.20(San)
“癒し”から“楽しみ”へ!

 秋分の日の電車にて床にさす光もともに運ばれて行く (『帰潮』昭和27)

昨日の日経新聞・夕刊をめくると、佐藤佐太郎さんの歌が目に留まる。
「光もともに運ばれて行く」という美しい朝の表情。

祭日で人もまばらな車両に、秋の朝の硬い光が立ち込めている。
そして、その光はレールを走る車両にどこまでも運ばれて行くのである。

佐藤佐太郎という歌人がちょっと気になった。
最初、若い人かと思ったが、どうやら違うようだった。


 
佐藤佐太郎【さとう さたろう】

明治42年11月13日〜昭和62年8月8日。
写生の伝統に立ちつつも、単純な生活詠ではなく、純粋な詩的感動を重視した歌を作った。

表歌集
  • 「歩道」 昭和15年
  • 「帰潮」 昭和27年
  • 「群丘」 昭和37年
  • 「形影」 昭和45年
代表作品

 薄明のわが意識にてきこえくる青杉を焚く音とおもひき (『歩道』昭和15)

 連結をはなれし貨車がやすやすと走りつつ行く線路の上を (『歩道』昭和15)

  今しばし麦うごかしてゐる風を追憶を吹く風とおもひし (『帰潮』昭和27) 
苦しみて生きつつ


佐藤佐太郎


新聞のページを繰ると、「遊べる国営公園 仕掛けてます」の見出し。
記事の冒頭にはこうある。

 豊かな自然に触れるだけではなく、楽しく遊ぶこともできる国営公園が増えている。
 木々の高さから自然を観察できる回廊や枝葉を使った工作教室など、仕掛けが満載。

そうか、公園は今や、“癒し”の場から“楽しむ”場へと変貌を遂げているのだ。
大人気の旭川市・旭山動物園などをモデルにして、楽しませる力を育もうとしている。

動物の目線、自然の目線に人を下ろすことで、おのずと生の共有を考える場になってくる。
そのための仕掛けをふんだんに盛り込むというのは、すばらしいことだ。

 秋彼岸すぎて今日ふるさむき雨直(すぐ)なる雨は芝生に沈む (『地表』昭和31)



2009.08.23(San)
思い描くことができれば、それが現実となる

異業種交流会の所属地区から案内が届いた。
送り手は、K社社長のOさん。諸種の勉強を重ねているつわものだけに、内容がふるっている。

【思い描くことができれば、それが現実となる】というタイトルの下にこう連なっている。

みなさん こんにちは!毎日雨が続きますね、雨雲の上は晴れなんですよ!
昨年9月岡崎地区創立30周年記念講演会で、植松電機の植松努氏のお話を聴いて感動
した有志で、「北海道へ行って、植松電機を見てこよう!」という企画がまとまりました。

最近出た本『死ぬ時に後悔すること25』(大津秀一著)に、「行きたい場所に旅行しなかったこと」
「夢をかなえられなかったこと」という項目がありました。

この機会(チャンス)を是非生かしてください。お待ちしています。

傍線は、0さんが特に言いたいこと。
この文章はまだまだ続くが、あとは蛇足。

しかし、いい言葉だ。「思い描くことができれば、それは現実となる」。
英訳するとこうなる。

 
dream can do , reality can do .



2009.08.15(Sat)
ワインからスコッチへ?

水曜日、親類からブドウを貰った。真夏を盛りとする大粒の巨峰だ。
今年の味はどうかと数粒食べると、天候不順の今年も良い味を醸し出している。

こんな美味い巨峰なら、さぞかし良いワインができるだろう。
しかし、不思議なことにこの地域にはワイン蔵はなさそうだ。

大府市、刈谷市はブドウの産地だから、ひと蔵ぐらいあってもよさそうだが、ワイン作りの適地ではないのだろうか?知多半島には清酒の蔵元が散在するだけに、不思議に思えてくる。

その日の夕刊に、「温暖化で仏ワイン品質低下」と見出しが出ていた。このまま、今の温暖化が進めば、ワインの原料となるブドウの品質が落ちることが懸念されるというのである。

ブドウは、土地の土壌や気候に左右されるから、このままだとブドウ栽培の適地は今世紀末には、1000`ほど移動し、一部はフランスを外れてしまう。

ブルゴーニュやボルドーなど現在の産地では良質のワインを作れなくなる恐れがある、というのは、ワインを主要輸出品のひとつとするフランスでは、国家存続の危機なのだろう。

そんなことを思うと、やはり、大切なものを守るためには、人が変わらねばならないのだろう。
温暖化を進めない対策を人知で考えていくことが必要なのだ。

仏ワインの品質を保つためには、2020年の先進国の温暖化ガス排出量を現行水準から40%減らす必要がある、ということである。

達成できなければ、ワイン需要は大幅に減り、スコッチを飲む人が増えるのではないか?



2009.07.19(San)
土用丑

今日は、土用の丑の日。土用丑といえば、鰻。
「夏バテしやすい時期に、鰻を食して精を付ける」という先人の知恵の結晶である。

ラジオでは、毎日のように「うなぎ割烹 みかわ三水亭」のCMが流れていた。土用丑に合わせるかのように、今年7月1日にオープンしたこの店は、今のところすこぶる評判がいい。

CMの最後は、「平賀源内に感謝!」で締めくくる。この意味が分かる人は、相当な知識人だ。
さて、どんな意味が隠されているのか?

物の本を開くと、こんなエピソードが。

今でも、土用の丑の日には鰻を食べる習慣があり、夏の暑い盛りに鰻屋を繁盛させているが、これは、もとはといえば、江戸時代の鬼才・平賀源内が発案したものである。

ある日、源内のもとに知り合いの鰻屋が泣きついてきた。夏になると客足がパタッととまり、商売にならない。なんとか、お客を呼び込む妙案はないかというのである。

そこで源内がひねり出したのが、土用の丑の日に鰻を食べると夏バテしないという宣伝文句だった。たちまち、その鰻屋には客が押し寄せ、商売不振を盛り返した。



2009.06.27(Sat)
五輪書

仕事がはかどらないから、中学三年の次男坊の部屋をのぞく。
試験週間とかで、机に向かっている。珍しいことだ。

中学三年ともなると、どんなにおっとりした子でも、頭の片隅に“進学”の文字が刻まれていく。
具体的な目標がなくとも、とりあえずは、机に向かわなければ落ち着かなくなるものだ。

机の下に、「三年進路だより」と書かれた紙片が、扇風機の風で揺れている。
見ると、「刈谷高校体験入学」の文字。今では、「体験入学」というものがあるんだ!

紙面の最後尾には、宮本武蔵の「五輪書」の一編。味わいのある言葉だ。

 千日の稽古を鍛(たん)とし、
 万日の稽古を錬(れん)とす。
 能(よ)く能く 吟味有るべきものを

注釈があった。

千や万は適当な比喩ではなく、技の習得に必要な具体的な数。
千日(三年)の練習をした動きは一生の技として身につく。

万日(十年)では格段に高い技と認識が得られる。
量が蓄積されると質的な変化が起こる。

質的な変化が起こる前に、反復練習を途絶えさせてしまいがちな私たちの気を引きしめ、希望を支えてくれる言葉です。



2009.05.31(San)
明日に向かって

ビワの実が食べ頃に色づいてきた。
低木の庭木はどれもみな無防備だから、もう少しすると鳥たちのかっこうの餌食になるだろう。

ビワが実ると、雨期が近い。小麦が褐色に色づくのもこの頃で、空気中の湿度がいやがおうにも増していく。それで、何となく気分がすぐれない。

異業種交流会で発行している広報誌の原稿(7月1日発行)を書いている。
もう7年、季刊で発行される会報誌・「明日に向かって」の川柳コーナーを担当している。

半ば選者を気取っての“川柳コーナー”だが、いかんせん応募がない。
よって、締め切り日が来ても、紙面が一向に埋まらない。

仕方なく自分で作句する。ペンネームを用いて他人に成りすます。
自分で作って、自分で選をするほど情けないことはない。

それに気づいたものか、今回は多くの投句をもらった。やっと張り合いが出てきた。
以下は、その原稿です。批評を下さい!

 川柳 〜東奔西走〜

かつて、七月七日はサマー・バレンタイン・デー。
女子が好きな男子に枕カバーを贈る日でした。

「七夕の夜に、私の夢を見てください」という切ない乙女心が演出されています。
不景気風が吹き荒れる現在、こうした明るい“仕掛け”が必要ではないでしょうか? 

さて、今回のテーマは「明るい」。皆さんから頂いた川柳を紹介します。

 あっ軽い 財布とついでに性格も         036

 あっ軽い お姫様抱っこは今昔            〃

 我が子には 明るい笑みで かみなりを     たけのこ

 孫の声 遊ぼのことば 明るい笑顔        〃

 プリウスに 明るい見通し 待ち侘びる     影の会長

 市民派の 世情に明るい ひがし知事      〃

  明るくて気立ても良くて鍋こがす         愛知県


次回のテーマは「ため息」。多くの投句を待ってます!




2009.05.24(San)
肉食系男子?

JAFMate(ジャフメイト)6月号が届いた。
表紙には北海道の美瑛・富良野の地平線まで続くラベンダー畑。

北海道の雄大さを描いて余りある。なんだろう、この輝きは・・・・すべての景色が、初夏の大地をわたる心地よい風を抱いて透き通る。北海道に行きたくなってきた。

ページを繰ると、今度は「眞鍋かをりの対談コーナー」。ゲストは石田純一。
石田純一の若き日のエピソードがこれまたいい。

石田さんは、まだ貧乏な劇団員だった頃、歩道橋の上から走っている車の台数を数えては、「世の中に金持ちは何と多いのか」と思ったそうだ。そして、こう誓った。

「上には上がいるけど、自分もやってやれないことはない。よし、絶対に車を買うぞ!幸せになるぞ!」。その頃の石田さんの年収は、たったの7,000円。車を持つことは、夢のまた夢だったろう。

それ以降、年収は0が毎年増えていった。それは、好きなものを追いかける石田さんの情熱なのだろう。草食系ではない、見果てぬ夢を追う肉食系の魂の成せる技だろう。

恋愛に関しても、「先に考えてどうするのよ?」という思想の持ち主だ。「明日の天気と一緒で、考えてもしょうがない。とりあえずドアをノックしてみよう」。

物事を成し遂げていくのに必要なものは、具体的な目標だ。石田さんがイタリアのフェラーリに目標を置いていたように、何かを成し遂げたいときは、届きそうな目標を持つこと。

「北海道に行く!」でもいいし、「北海道に住む!」でもいい。
「ラベンダー畑に死す!」なんて、尚いい。この紫の絨毯の上で死ねたら本望だ。



2009.05.10(San)
草食系男子

最近、「草食系男子」という言葉をよく聞く。
「肉よりも野菜が好きな若者が増えたのか?」くらいに思っていたが、どうも違うらしい。

「草食系男子」とは、「協調性が高く、家庭的で優しいが、恋愛に積極的でないタイプ」と定義されている。要は、おとなしい男の子が増えている現象を言うのだろう。

肉よりも野菜を好む人の方が、およそ穏やかであるのは間違いのないことだ。
穏やかさは、野菜の有している栄養によって得られる。

だから、激しい人は野菜を多く取ることによって穏やかさが増してくるし、穏やか人は、肉を多く取ることで多少の激しさを得られるのだ。

食べ物は、健康と密接に関わってくる。
先日、健康講座で、「健康とは、気、血、動の調和」だと聞いた。

 気・・・その人の気の持ちよう、精神生活、ストレス。
 血・・・何を食べるか、食生活と栄養素。
 動・・・適度の運動と休養

気、血、動が調和して初めて健康は維持できるものなのだ。
「草食系男子」・・・どうなのだろう。平和的ではあるが、およそ革命とはほど遠い。

激動の昨今、「草食系」だけで身が持つかどうか?
日本が確実に退化しているのかも知れない!




2009.05.03(San)
閾値を下げる

世間では、ゴールデンウィークも後半に入ったようだ。
仕事に追われ、会務に追われ、季節を顧みることがずいぶん薄れてしまっている。

高速道路を利用して遠出をする気分にはなれないから、近場で初夏の花を愛でるだけだ。
それでも豊かな気分になれるのは、よほど閾値(いきち)が低いせいだろうか?

「閾値」という言葉を初めて聞いた。
「人間が感じることのできる刺激の最小値」という意味なのだそうだ。

この季節、フジの花はかなりいい匂いがするが、フジ棚の下でずっと過ごして同じ匂いをかいでいるうちに、次第に強い匂いでないと感じなくなるのだそうだ。

この状態を「閾値が高まる」と言う。閾値が高まることは、それだけ豊かになった証拠ではあるが、幸せかどうかというとまた違った話であるらしい。

ささいなことで幸福を感じられる人は、閾値こそ低いが幸せなのではないか?
逆に、サプライズがなくては幸せを感じない人は、閾値が高くても不幸なのかも知れない。

そんなことを考えると、経済危機で困窮している現在は、閾値を下げるチャンスでもある。
小さな幸せに無限の喜びを見出すには、もってこいの時代なのだ。

足湯に足をくぐらせて、柔らかい湯の感触に幸せを満喫するなんていいじゃないか!
とれたての苺でつくったジャムの甘酸っぱい匂いは、何という幸せだろうか?

「閾値」を下げること、そんな時代の始まりである!



2009.04.26(San)
中拭きタオル

仕事柄、週に一度くらい車のガソリンを入れる。ガソリンの値段も最高値をつけてから一挙に下降して、今は大分落ち着きを取り戻しつつある。

それにしても、ガソリンの値段が店ごとに違うのはなぜだろうか?人件費を浮かせるセルフサービスの給油所が安いことは分かるが、それ以外のところが店ごとに違う。

ガソリンの質も関係しようが、おそらく価格の違いは店ごとの戦略によるものだろう。
ガソリンスタンドが売るものは、直接的にはガソリンであるが、間接的にはサービス全般だ。

例えば、給油してくれるお姉さんの笑顔見たさに、毎回訪れる客もいるだろう。
カーマニアにとっては、質の高い情報の収集のため訪れることもあろう。

要は、ガソリンそのものの値段に何か付加されるものがあれば、少し高値であっても、客はその店の価値を見出せるものなのだ。

私の行くガソリン店は他の給油所より少し高い気がするが、他所へ行かないのは、車の中拭き用のタオルを必ず渡してくれるからだ。

おかげで、車内の埃や汚れが取れて気持ちがいい。車内を清掃することのない不精な人には、給油のたびにちょっとした清掃ができるから、こんな店は重宝だ。

たかが、「中拭きタオル」ということなかれ!サービスとはこんなことの積み重ねだろう。
ちょっとしたアイデアが、企業を救うものなのだ!



2009.04.05(San)
落語家志願者増える!

景気が悪くなると、落語家志願者が増えるそうだ。
現役の落語家から聞いた話だから、確かなものだろう。

景気が悪いということは、働く場所を減少させるから、進路を狭めさせる。それで、「落語が好きだから」、「お笑いが好きだから」という理由で、安直に落語家の門を叩くのかもしれない。

「手に職を持つ」ことが強い、とよく言われる。専門職を身に付けている人は、即戦力になるから、元手がかからない。よって、企業はそんな人を大切にしようとする。

これからの若者に課されるのは、「手に職を持つ」ことだろう。じっくりと自分のやりたいことを見極め、そのために必要な「手に職」を身に付けていくことだ。

その意味で、不況期はいい時期ではないか?リストラに遭った人には気の毒だが、「手に職」を持つには、不況期は絶対の好機である。飛翔する翅を磨くチャンスなのだ。

今日の中日新聞・中日サンデー版に面白い話があった。
以下はその全文だが、落語家を志す人も胸の内に留めておいてください。


  「ごみ拾い」         小林幹夫

織田信長のこんなお話をご存知だろうか?ある日、信長が家来を自分の部屋に呼んだ。
「殿、お呼びでしょうか」「もういい、帰れ」と言って、すぐに帰してしまった。

その後も家来を一人ずつ呼んでは同じ事を繰り返した。
そのうちに、ある一人の家来が、部屋を出る時、落ちていた小さなごみを拾っていった。

それを見ていた信長が、「よし、こいつは使える」と言って、この家来を大抜擢したというお話。
この話を知ってからだよ、私が会社の中で、毎日ごみを拾うようになったのは・・・・。

まあ、残念ながら、大抜擢は、まだ、されてないけどね。



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