あおみ労務事務所
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労務記録
「会社の粘着力を増すためには社員との共通の思い出をより多く持て」と、明日香出版社の社長・石野誠一氏が、かつての講演会の中で言っていたことを思い出します。
このページでは、労務管理の意義を、「人を生かす」という視点でとらえ、業務で体験した出来事や身近で話題になったことなど、労務管理の記録を発信していきます。
2009.03.22 (San)

就職氷河期再来!

春の花が一斉に咲き出した。木蓮、辛夷、まんさく、れんぎょう、雪柳・・・・。
白木蓮などは、花を開いた途端に、春嵐で散り初めを迎えている。

色とりどりの花が目を楽しませてくれるが、今の景気を考えると、浮かれた気分は忽ち冷めてしまう。花を愛でるだけでは生活できないから、仕方のないことだろう。

来春の企業の採用計画が発表された。
企業側が急速な景気後退を受けて、新卒採用の門戸を狭めていることがよくわかる。

ここ数年続いた学生側優位の「売り手市場」が、ガラッと一変した。そりゃそうだ。仕事量が激減している状態では、人を採りたくても採用できない。「買い手市場」にならざるを得ない。

多くの企業は、今まさに入社しようとする新入社員の仕事を確保するだけでも大変なのに、来春の採用まで予想することは困難だ。よって、採用はどうしても消極的になる。

就職氷河期の再来!寒い時代がやってきた。
せめて春の花だけでも楽しもう!

ちなみに、企業が採用の選考に当たり重視する点は(複数回答)・・・・

@コミュニケーション能力(86)
A行動力(61)     
B熱意(35)
B人柄(35)                   
D責任感(34)
E協調性(29)

熱い人が求められているのだ!



辛夷の花



2009.02.22 (San)

「雇用を守る」とは人間を大切にすること!

昨秋からの急激な景気の悪化は、あたかも高みからジェットコースターが滑り落ちるような勢いで、企業に容赦なく襲い掛かってきています。

受注はそろそろ上向くのか、さらに下がるのか、経営者はそれぞれの位置、立場で景気の動向を模索しながらも、眠られぬ夜を過ごしていることだと思います。

景気の悪化は雇用に直結します。経費削減のためのリストラは、派遣社員に始まり、契約社員やパート社員に及び、今後は正社員をも巻き込む様相を見せています。

幸い、「中小企業緊急雇用安定助成金(中安金)」が新たに創設され、正社員の首切りだけは避けたいという経営者の思いと重なって、多くの企業がこの助成金を活用しています。

私どもの事務所でも、中小企業の経営者から中安金の相談や手続き依頼がひっきりなしで、通常の社労士業務の他に中安金に関する業務をこなしていかなければならず、てんてこ舞いの忙しさです。


その意味では、製造業を中心とした百年に一度の世界的な景気失速の影で、我々社労士にとっては、百年に一度のビジネスチャンスなのかもしれませんが、お客様が元気になってくれてこその社労士ですから、早々の景気回復を祈るばかりです。

中安金については、新聞紙上でも話題になっているので、多くは申しませんが、「雇用を守る」ために、最大限活用していただきたい助成金制度です。


さて、今回は、「雇用を守る」ことに最大限取り組んでいる企業を紹介したいと思います。

C社の社長Tさんは、「元気な会社、社員といっしょにつくろまい」という経営理念の下、この不況は全員で乗り越えるのだと言って、「一人として切らない」決意をしています。

経営者の勉強会などでよくご一緒させていただきますが、物事の判断基準を、「人としてどうするか」に置いておられます。

「人間としてやって良いか悪いかを判断し、人としてやるべきことをやる」方針を貫かれています。先日お会いした際も、バブル崩壊時の思い出を通して、社員がいかに大切かを語ってくださいました。


Tさんは、バブル崩壊時に売上減少を何とかしようと親会社に相談したところ、いとも簡単に「人を減らせばいい」と言われ、追い打ちをかけるように銀行からも「これ以上融資できない」と宣告されたのです。そんな状況を社員に正直に話しました。

そして、社員に「私は家を担保に入れてでもお金を都合して、もう少し頑張る」と宣言します。そんな不安な状況下にあっても社員は一人として辞めずに、むしろ「社長、やろう!」「社長、頑張ってやろう!」とTさんを励まし続けました。

これを機に、Tさんは「一社に依存する体質を止めよう」と決意して、顧客の新規開拓に乗り出します。幸い、技術力も信用力もあり、新規の顧客がどんどん増えていきました。

苦しいときにリストラしなかったことで、自社の戦力は以前のままで保たれており、世の中の景気が少し上向いたときには、C社の業績はポンと跳ね上がりました。


「社長が逃げるな!」「社長が逃げてはいけない!」ということを社員から教えられ、逆に社員から育てられたようだったと、Tさんは当時を回想して語られました。

現状の景気が予想をはるかに超えて悪化している中、今までの手法が通用しにくい時代ですが、人間を大切にする経営を貫かれるTさんにエールを送りたいと思います。

先日、中日新聞のコラム欄・中日春秋に、「経営の神様」の異名を持つパナソニック創業者の松下幸之助さんの名前を見つけました。

そこには、「戦後最大の経済危機」と呼ばれる今、生きていたらどんな経営をしているのだろう、という問題提起がなされていました。

そして、「幸之助が残した言葉の中にヒントがあるのでは?」というコラム筆者の問いかけがあり、幸之助さんの言葉がいくつか引用されていました。

<策は無限にある>
<好況よし、不況さらによし>
<不況時こそ人材育成の好機>
<衆知を集めた全員経営>
<リストラをする場合は、まず経営者が辞める>
<社員を大事にせえや、人間を大事にせえや、物とは違う>

雇用を守る」ことの本質は、人間を大切にすることだと思います。派遣切り、雇い止め、整理解雇などの言葉を聞くたびに、「人間が中心になっていく会社を作らなければいけない」というTさんの言葉がよみがえってきます。
                           (刈谷労働基準協会・会報誌原稿より)



2009.02.08 (San)
農林漁業就労希望者急増

宵の口、散歩の途中で通りかかった省力化機械を製造しているS工業所。
日曜にもかかわらず、事業主らしい男性が作業をしている。

少し離れたところで、小学生くらいの子どもがふたりキャッキャ言いながら作業を見つめている。
子どもは作業を見慣れている様子で、子ども心にも仕事の意味が分かっているのだろう。

こうした光景はいい。子どもが親の仕事に触れるのは、親を理解するのに一番いいのかもしれない。こうした親が取り組む作業によって、自分が生かされているということも後々分かるだろう。

私もかつて両親が働く瓦製造の現場が遊び場だった。自営の家庭ではそんなことは当たり前の時代だったし、小学生の頃から親の仕事を手伝いながら遊ぶことはざらだった。

近頃そんな風景を見ないのは、安全衛生とかが厳しい時代なのだろう。
子どもに親の仕事を見せることは大切な教育なのだが・・・・。

今日の朝刊には、「農林漁業就労希望者が急増」と出ている。
雇用情勢の急速な悪化で、今まで見向きもしなかった未知の領域への就労希望。

これが吉と出るか、凶と出るか?農業の担い手を目指すのも悪くない。
第一次産業こそが、国の根幹と考えればいい。

そして続けることだ。待遇面などが懸念されるが、自然の中で働くことは何物にも代え難い喜びがあるだろう。それを見つけ出すことだ!



2009.02.01 (San)
品性

火曜日、ハローワーク刈谷・求人コーナーを訪れた際、「求人者の皆様へ」と書かれた張り紙。

住み込み可能な求人が圧倒的に不足しています。
会社から突然解雇され、住居を失った多くの求職者の方に、仕事と住居を提供するために
ご協力をお願いします。

テレビ・新聞の報道でも同様のお願いが繰り返されるが、現場の声ゆえに説得力がある。
持ち家のある身には、俄かに信じ難い事象だが、困っている人が多いのだろう。

昨年暮れにはテント村なる“村”がテレビで映像された。
アウト・ドアを楽しむ家庭も多いから、テント村も一見快適そうに見えた。

しかし、失業者にとってはやはり死活問題で、夏なら快適なものが、冬では死と隣り合わせだ。
凍えることは、本人の責任が大半なのだが、かといって周りが何もしないでは、品性が問われる。

困っている弱者(?)に対して、手を差し伸べることができる品性のある大人になりたいものだ。



2009.01.18 (San)
離職者住居支援

火曜日、派遣会社SのU社長から助成金のことで尋ねられた。
「労働者の離職後も住居を提供する事業主に助成してくれる制度があるらしいが・・・」

いわゆる「派遣切り」が、世論の批判の的となっている。解雇は仕方ないとしても、すぐに社員寮を引き上げさせるのは人道的にどうかという声が高まっている。

そこで登場したのが、「離職者住居支援給付金」(仮称)。
仮称とあるくらいだから、法案がまだ可決されていない。

政府の第二次補正予算案で、衆院を通り、今参院の審議を得ているところである。
いずれは成立するが、いかんせん正式に可決されない限り、書式が出来上がらない。

さて、「離職者住居支援給付金」についてわかる範囲で解説する。

【助成金制度の概要】
世界的な金融危機の影響等により、やむを得ず派遣労働者または有期契約労働者との契約の中途解除や雇い止め等を行った場合でも、離職後も引き続き住居を無償で提供した場合または住居に係る費用の負担をした事業主に助成を行う。

【対象となる事業主】
1.再就職援助計画を作成し、管轄のハローワークに提出し、認定を受けること。
2.次のいずれかに該当する労働者の住居を提供している必要があること。
  @雇用保険被保険者(被保険者期間は問わない)であること。
  A6ヶ月以上雇用されている雇用保険被保険者以外の方(※週20時間以上)

【支給額】
対象労働者1名につき、1ヶ月5万円(愛知県)

【助成期間】
1ヶ月〜6ヶ月

【その他】
1.平成20年12月9日に遡って適用することを予定している。
2.対象労働者が派遣労働者である場合、派遣元事業主が申請者。



2009.01.11 (San)
申請の波

 歳末の申請の波身を退きて躱(かは)せるほど器用にあらず

上は、今朝の中日歌壇(中日新聞)の入選句。
選者・岡井隆さんの評(すぐ下)を読むと、歌の内容がよく分かる。

 この不況下で、「申請の波」が押しよせる。職業上それをうけて立つ立場なのだろう。
 「身を退きて」以下にその心境が正直にうたわれている。

自身の立場に置き換えると、「申請の波」はハローワークへ職を求める人の波だろう。
中秋から始まった“派遣切り”による大量解雇は、未だもって止めを知らない。

第二弾、第三弾の求職者の波が予想される。“派遣切り”から時を少し隔てて、今度は企業の雇用調整の波が押し寄せてきた。その名を「中小企業緊急雇用安定助成金」。

従来の「雇用調整助成金」を中小企業用に大幅に緩和したものだ。
先週五日からの初仕事は、実際この助成金の説明に追われた。

日本丸はどこへ行くのか?どんな航路を漂うのか?それは誰にもわからないが、「身を退きて躱せるほど器用にあらず」では、申請の波は収まらない!



2008.12.28 (San)
年賀状バイト
 
 年賀状バイト中高年も頑張る  雇用の悪化影響「生活の足しに」

上は、昨日の日経新聞・夕刊の見出し。
年賀状の仕分け・配達を行うアルバイトに異例の人気が集まっているようだ。

景気後退による企業の派遣契約の解除や雇用抑制の影響で、中高年らを中心に応募が殺到。
例年の学生バイト一色から婦人や年長の人などが目立つという。

社会人二年目の長男が高校、専門学校時に年賀状の仕分けアルバイトをしていたので、年賀状バイトに馴染みがあるが、中高年が学生に混じって作業する姿には、いささか悲哀を覚える。

職業に貴賤はないのだから、誰がどんな仕事をしようと構わないが、時給の低い年賀状バイトに“手を染める”のは、失礼ながら食事を犬猫フードで代用するようなものに感じてしまう。

「株が暴落し金がない。小遣い稼ぎがしたい」
「残業がなくなった。バイト代を生活の足しにしたい」

いろいろな事情があるのだ。現状を嘆かず、悪事に手を染めず、年賀状バイトに応募した人は、前向きな生きる力を持った人たちなのだろう。

仕分け作業は25日から31日までがピーク。
短期雇用は年が明ければすぐに終了するが、その後どんなバイトに就くのだろうか?

長く、狭く、険しくとも何とかなるのが人の道。心配は無用である。
とすれば、悲哀を感じたことはいささかの“過ち”だった!



年賀状仕分け作業           年賀状配達



2008.12.20 (Sat)
白馬の森

パソコンを開けるたびに下の絵が現れる。
待ち受け画面にしてからしばらく経つが、東山魁夷画伯の「白馬の森」。

白馬が群青の光に照らされた森の中に凛とたたずんでいるメルヘンチックな構図。
縮小された絵からはわからないが、白馬の背が煌々と輝いている。

この絵に秘められているものは何か?幻想的ではあるが、それが一層孤独感を浮かび上がらせる。素人目にも、容易に入っていけない非日常がある。

我々が置かれた“組織”というのも、そんなものかもしれない。安易な妥協を避けて、目指すところへ一途な努力が向けられる。ましてや、組織の長となれば果てしない孤独があるのだろう。

先週金曜日、臨時支部会で次年度の支部長に選任された。
支部長が輪番制で選ばれるようになって三期目。

見識も品格もましてや知恵もない私が選ばれたのは、他にやり手がないからだが、その意味では、いっそゴミ収集の“当番”くらいに考え、肩の力を抜いてやるのがいいのだろう。

挨拶では、夏目漱石を引用して、「ない知恵を出していきたい」と述べた。
「懐手の話」が皆に伝わったかどうか、何となく心配している。



ちなみに、「懐手の話」とは・・・・

東大で教えていたころの話だが、学生の一人に腕が片方ないのがいた。
漱石はそれのことを知らず、その学生に「懐手をして講義を聞くとは何事か」となじった。

隣の学生が「彼は腕が片方ないのです」というと、漱石動ぜず「俺もない頭で教えているんだから、君もない腕を出したまえ」と言ったという。




東山魁夷「白馬の森」



2008.12.08 (Mon)
微に入り細をうがつ!

昨日は、恒例の社会保険労務士の日・無料相談会。
年金を中心とした労務全般の相談に県内の社労士が応じたのだった。

たった今、三河西支部長から会報誌に掲載する無料相談会のコメントをお願いするとのメール。
昨日のささやかな感想だが、無料相談会の模様が少しはわかるだろう。

以下、コメントです。

三河西支部では、昨年同様四会場での「社労士の日 無料相談会」が行なわれた。
昨今のリストラ事情を反映して“解雇”や“雇い止め”の相談が多いかと思いきや、相談員が
年金相談に始終したのも昨年同様だった。

ただ、常識的・基本的な従来の相談から、微に入り細をうがつ相談へと変貌を遂げている点を
見逃すわけにはいけないだろう。相談者が勉強しているのである。


年金の専門家である社労士がこれまで以上の研鑽を積まなければ、時代に取り残されていく
のではなかろうか。




2008.11.08 (Sat)
11月の手紙

 拝啓 里の秋も深まってまいりました。10月のシルバーセンター「労働・社会保険補助事務講
 習」の節は、お世話になりありがとうございました。

 その節、受講しました定年フリーターです。
 現在は、在職中できなかったことに取り組んでいます。

先月講師を務めた講習会の“教え子”Nさんから手紙が届いた。
受講後、奈良の正倉院展を見学したようで、その折見た古文書にひどく感激した様子。

古文書の内容は、写経所に勤務する写経生の「休暇願」や「欠勤届」「始末書」。
こうしたものから、当時の写経生の日常生活や職業病などが垣間見られるようだという。

 数ある古文書の中で、こうしたものが選ばれたのは、展示関係者の中に、現代の世相を反映
 し、意味があると考えている人がいるのではと感じました。

Nさんの手紙には、資料が添えられていた。資料には、「休暇願」や「始末書」の中身について書かれていた。休暇願には、さまざまな理由が記されていて、最も多いのが病気。

 1日中机に向かう職病病だろうか、腰痛や足通が目立つ。病気以外では親族の死去など。
 洗濯とか屋根の修理とか、現代感覚では考えられない理由もあるが、休暇は認められていた。

 「始末書」の方は、写経生が写経所への出仕を怠ったことを悔い改め、以後は昼夜を問わず
 仕事に邁進するので、今回のことは許して欲しいと述べられている。

 日付の後には、同僚の写経生11人の署名。連名で上司に許しを請うた様子が伺われる。
 お詫びのしるしに布などを納める場合もあったようである。

資料を読むと、Nさんがこうした古文書にいたく心を奪われたのがよくわかる。その当時の世相を現代と重ね合わせても、人の心の襞は何ら変わることがないというのも確認できる。

ちなみに、当時の「写経生」というのは、写経所に泊り込み、早朝から長時間の勤務を月に20日以上こなした上、自宅に戻れるのは2〜3ヶ月に一度、それも3日程度であったという。

そんな職業があったのかと、感心させられる。

Nさん、貴重な資料をありがとう!



2008.11.02 (San)
派遣の悲劇

  首切りの進軍ラッパ鳴り止まず!

景気急落を受けて、派遣先企業は軒並み派遣業者を切り出した。派遣先企業にとって派遣労働者は、雇用関係がないから平然としていられるが、そうはいかないのが派遣元企業だ。

雇用関係のあるかわいい派遣社員を解雇せざるを得ない。そもそも何がいけないのだろうか?
私は、派遣元企業の“雇用責任”の薄弱さにあると思っている。

「派遣とは、そういうものではないか?」と言う人がいる。確かに、派遣は雇用の調節弁としての役割を担っているが、それは、派遣先が言うべきであって、派遣元が言ってはならないことだと思う。

大切な大切な社員ではないか!それとも、社員はスタッフだけと言うのだろうか?それを、派遣先が要らないといえば、何の努力もなく簡単に切り捨てていいものなのか?

派遣も外国人も、普通の社員と同じように“雇用責任”があってしかるべきである。
腹を立ててもつまらぬことだが、労働者派遣もかつての26業種に落ち着く感がある。

  ※ 26業種とは、派遣法施行時に派遣対象として政令で認められた「専門性が高く、知識・
    経験が必要であり、特別な雇用管理が必要」な業種。

解雇の圧倒的多数は、製造業への派遣である。調整弁の機能を持った製造業への派遣は、今や世論からの反発で、弱体化しつつある。それで派遣先への直接雇用が叶えばいいが・・・・。

派遣の悲劇は、始まったばかりである。この先どうなるか?
「整理解雇」する場合の4要件だけは示しておこう。

@経営上の必要性があるか
A解雇を回避するための努力を尽くしたか
B対象者の選定が妥当か
C解雇者に対して十分な説明、協議を行ったか



2008.10.19 (San)
秋ざくら

コスモスが風に揺れている。この季節の休耕田には、癒しの花が咲き乱れていて、その“なり”だけを見ていると、か細い少女のように映るが、どっこい、コスモスはとても強い花だ。

ひまわりのような力強さはないが、「しなやかさ」とでも言うのか、風をしっかり受け止めるようで、その実、風を上手に受け流している。強さの秘訣は、決して逆らわないことなのだろう。

「月間社会保険労務士」(全国社会保険労務士会連合会発行)を読んでいる。
今月、地域別最低賃金が引き上げられる。

愛知県は、714円から731円になる(平成20年10月24日)。ちなみに改正最低賃金の一番高い地域は、東京都、神奈川県の766円。一番低い地域は、宮崎県、鹿児島県、沖縄県の627円。

最高、最低の格差は139円。物価水準など色々な換算がなされるのだろうが、グローバル化の世の中でこの格差はすなわち、地域そのものの差だろう。

一昨年からの最低賃金の上昇はすさまじい。愛知県でいうと、一昨年の、694円、昨年は714円、そして今年の731円。通年からは考えられない上昇率である。

ここ数年、生活保護との逆転現象がささやかれている。最低賃金で働く労働者の賃金よりも生活保護を受けている人の収入の方が大きく、それを是正する意味での大幅な上昇だろうか?

これは、年金にも言えることで、長年、年金保険料を納めた人よりも、保険料を納めずに生活保護を受ける人の方が収入が多くなるという逆転現象も生じているようだ。

なぜこんなことになるのか?コスモスに問うても詮無いことだが、明らかにしていくことも次の世に必要なことだろう。

コスモスが風に揺れている。風を誘い、風を流していく様は、何かに似ている。
そう、子どもたちだ。子どもたちにはこだわりがない。

こだわりを持ち続けて生きている大人たちよりも、子どもたちは遥かに上質なのだろう。

  秋ざくら揺れてあの日の忘れ物       比呂志






2008.10.12 (San)
採用試験問題

月曜日、愛知県勤労会館(名古屋市昭和区鶴舞)で「労働・社会保険補助事務講習会」の講師。
朝から夕まで、「最近の労働・雇用情勢一般」についてみっちり語った。

受講者は、定年などで企業の第一線を退いたばかりの方で、その若さをもてあましている様子。
再就職を視野に入れてか、全八日間の講習会を受けようとする、その熱心さには舌を巻いた。

「現役世代もこれだけ気力がみなぎっていれば、さぞ良い仕事ができるのに!」と思うほど、真剣な眼差し。主催者の「シルバー人材センター」には悪いが、シルバーに登録するには早すぎる。

講師で丸一日つぶして帰宅すると、S社のMさんから電話。S社の前社長の奥さんで、何かと私に眼をかけてくださっている、笑顔が素敵な人だ(前社長婦人といっても、まだ若い人です)。

Mさんからは、新規高卒者の採用試験用の手頃な“問題”を送信して欲しいという依頼。
かつて作成した問題を眺めながら、昨今の高校生のレベルはどれほどなのだろう、と思った。

さて、下は採用試験問題の一部。答えは一番下。

 1.次の漢字に読みがなをつけなさい。
    @芝生(       )   A漁火(       )   B夏至(       )
    C初陣(       )   D洒落(       )   E進物(       )
    F後悔(       )   G相殺(       )   H春分(       )
    I添削(       )   J意図(       )   K功徳(       )

 2.次のカタカナの部分を漢字に直しなさい。
    @国をオサめる(       )
      学問をオサめる(       )
      税金をオサめる(       )
    A時間をハカる(       )
      面積をハカる(       )
      便宜をハカる(       )
    B利息がツく(       )
      手紙がツく(       )
      職にツく(       )
    C左キき(       )
      薬がキく(       )
      疑問点をキく(       )

来春、高校を卒業するのなら、九割以上の正解率であって欲しいが、どんな結果が出るのやら。
試験の結果と社会人になってからの成績が一致しないところが難しい!


    答え 1.@しばふ Aいさりび Bげし Cういじん Dしゃれ Eしんもつ
          Fこうかい Gそうさい Hしゅんぶん Iてんさく Jいと Kくどく
        2.@治 修 納 A計 測 図 B付 着 就 C利 効 聞




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あおみ労務事務所 社会保険労務士 柴田比呂志
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